こんにちは。スピーシーズのモーションマイスター Sです。
今日から数回にわたって、モーションエディタを使ったMI・RAI-RTのモーションの作り方を紹介していきます。
実例を挙げて説明していきますので、モーション作成が始めての人でも大丈夫。これを読みながら操作していけば、モーションエディタの使い方の基礎が学べます。
これを機会にぜひ、MI・RAI-RTのオリジナルモーション作りを楽しんでください。
本連載では、次のようなステップで、モーション作成を解説していく予定です。
【第1回】ロボットの「モーション」とは何か?
【第2回】「ポーズ」を作る
【第3回】モーションの作成
【第4回】LEDをつける
【第5回】サウンドをつける
【第6回】時間設定でなめらかなモーションを目指す
【第7回】ちょっと便利な小技集
第1回は予備知識として「ロボットのモーションとは何か」を説明します。
1)「モーション」は複数の「ポーズ」の集合体である
絵や人形などを少しずつ位置や形をずらして1コマずつ撮影し、映写すると動いているように見えるのがアニメーションですね。
ロボットのモーションをモーションエディタで作成するということは、まさにこれと同じ。
モーションエディタでは、アニメーションのコマにあたるものを「ポーズ」といい、複数のポーズをつなげたものを「モーション」といいます。
例えば、ここに10個のポーズがあったとします。
それをつなげて1つのモーションを作るとすると、どうやってつなげますか?
モーションとはポーズの連続のことですから、
・どの順番で?
・各ポーズはどのくらいの長さ(速さ)に?
を考えて作っていくようにします。
2)イメージトレーニングをする
モーションを作る前にイメージトレーニングをしましょう。
とは言っても、いきなりイメージトレーニングと言うと、難しそうに感じるかもしれません。そこで具体的な例を挙げて説明をします。
STEP 1どのような動きを作りたいか考える
「片足でバランスを取って立つ」
という動きをロボットにさせたいとイメージして下さい。・・・しましたか?
その際のポイントとして、漠然とイメージするのではなく
a.右足を軸にして左足を上げるのか、逆にするのか
b.上げた左足は後ろへ曲げるのか、前へ蹴るのか
c.右手を上げながら足を上げてみたらどうなるか
など、具体的にイメージをすることです。
まず頭の中でモーションの完成形をイメージすることで、実際のモーション作成時に迷うことなく、しっかりとしたモーションが作り易くなることでしょう。イメージだけでは難しいと思う場合には、簡単な絵コンテを描いてみるのも方法のひとつです。
STEP 2イメージしたモーションをコマで区切って考える
モーションは、ポーズを時系列に並べて連続させたものであると、さきほど言いました。では、先ほど例に挙げた「片足でバランスを取って立つ」という動作を「コマ=ポーズ」に区切って考えてみるとどうなるでしょうか。
大まかに分解してみると次のようになります。
1.直立して安定した姿勢
↓
2.右足に重心を移動する
↓
3.左足をあげる
↓
4.左足を下ろす
↓
5.重心を体の中心に戻す
このような5つの細かい動きがつながって「片足でバランスを取って立つ」という動作になることがわかります。
どのようなポーズを順番に取らなければならないかを区切ってイメージしておくと、より効率よく作業を進めることができます。
3)ロボットのモーションは「重心」が大事
モーションエディタでは作成したモーションの確認をPC上でも行うことができます。
しかし、モーションエディタで見るとうまく動くのに、ロボットで再生してみたら転んでしまった、ということも。
なぜかというと、PC画面の3D画像のロボットは実際に地面に着地して立っていませんので、体の中心を基点として動作を行います。しかし、実際のロボットは足で着地して立っていますので、足を基点として動作を行います。また、ロボットには重さがあります。人間も重心を考えてバランスをしっかり取っていないと、ふらついたり倒れたりしますね。
・どの関節を動かすとどのように重心が移動するか
・重心位置は常に体に中心にくるように注意する
モーションを作成する際には、ロボットの動きをよく観察しましょう。
自分の作りたいモーションに似た動きをする既存のモーションを再生して確認すると、さらに理解しやすくなります。
4)モーション作成は「トライ&エラー」
モーション作成途中でうまくいかないことも出てくるでしょう。
しかし、うまく動作しないのには、必ずどこかに原因があります。
しっかりと原因を特定して修正する・・・あきらめずに根気よく、作成していきましょう。
思い通りにロボットが動いたときの喜びと言ったら!
そしてとにかく、たくさん作ってみることです。数を作っていくことで、コツもだんだんにつかめてきます。
では次回は、実際に「モーションエディタ」を使って、「ポーズ」をいくつか作ってみましょう。